
暗号資産(仮想通貨)をどこかに送る手数料を調べているときに、送金・送付・出庫など、用語が決まっていなくて戸惑った方も多いはず。
また、海外取引所でアルトコインを購入しようとしたとき、国内取引所から暗号資産を送る手数料に大きな違いがあることを知った方もいるでしょう。
この記事でわかること
- 暗号資産を送るときに使われる用語と各取引所の違い
- 暗号資産を送る手数料について注意すること
- 取引所の売買手数料も計算に入れる必要性について
- 暗号資産を送る手数料が安いおすすめの国内取引所
国内の取引所で暗号資産の扱いになれてくると、成長性の高いアルトコインが豊富にある海外取引所を投資で利用したくなるはずです。
その際に国内取引所から暗号資産を送る必要があるので、コスト削減のためにぜひ参考にしてください。
さっそく送付手数料が安い取引所を知りたい方は「国内取引所比較一覧」からご覧ください。
暗号資産(仮想通貨)の送金・送付・出庫とは
暗号資産取引所における送金・出金・送付・出庫とは、暗号資産(仮想通貨)を別の取引所やウォレットに送るときに使われる用語です。
一般的に日本円を送るときには出金で統一されており、暗号資産については各取引所で異なる用語が使われています。
初めて暗号資産を自分の口座から別の取引所やウォレットへ送るとき、日本円の出金手数料と混同してしまいがちです。
実際に取引画面で手続きを進めていけば分かるのですが、事前に調べていた合計手数料よりも高かったとなると、何か損した気持ちになりますよね。
しかも暗号資産を送る手数料は取引所によって異なり結構な負担になるので、暗号資産を海外取引所などへ送る前に比較しておくことが大切です。
取引所によって差があるので、分かりやすく比較していきます。
取引所で異なる暗号資産を送る際の用語一覧
日本円の出金と混同しないように、まずは各取引所から暗号資産を送ることを意味する用語の整理をします。
取引所 | 用語 |
bitbank(ビットバンク) | 出金 |
bitFlyer(ビットフライヤー) | 送付 |
Coincheck(コインチェック) | 送金 |
DMMBitcoin | 出金 |
GMOコイン | 送付 |
Huobi Japan(フォビジャパン) | 出金 |
Rakuten Wallet(楽天ウォレット) | 出庫 |
SBI VC Trade | 出庫 |
この記事では、暗号資産(仮想通貨)を送る際の用語を「送付」で統一します
理由は、出金と送金は日本円にも使われるために紛らわしく、出庫はネット検索数も少なくて今後も広く使われる可能性が低そうなためです。
さて、実際の取引で重要なことは暗号資産を送付するときの手数料ですね。
暗号資産の送付手数料の注意点・気をつけること
それでは暗号資産の送付手数料の注意点と気をつけることを3つ解説します。
- 種類・銘柄ごとに送付手数料が違う
- 最小送付数量が決まっている
- 全額送付への対応(最小送付数量未満)
種類・銘柄ごとに送付手数料が違う
1つ目の注意点は、暗号資産の種類・銘柄ごとに送付手数料が違うことです。
例えばビットフライヤーの場合、ビットコイン(BTC)の送付手数料は1回あたり0.0004BTC、イーサリアム(ETH)は0.005ETHです。
各取引所で各銘柄ごとに送付手数料が異なりますし、時期によって増減があるので、その都度公式サイトで確認する必要があります。
種類は違っても日本円換算で同じくらいの金額ですが、価格変動によって差額が大きくなるときもあります。
最小送付数量が決まっている
2つ目に気をつけることは、最小送付数量が決まっていることです。数量とは暗号資産を量(枚数)を指し、日本円の金額と同じ意味になります。
例えば送付手数料が安いGMOコインの場合、ビットコイン(BTC)の最小送付数量は1回あたり0.02BTC、イーサリアム(ETH)は0.1ETHです。
各取引所で各銘柄ごとに最小送付数量は異なるので、公式サイトで確認しましょう。
全額送付への対応(最小送付数量未満)
3つ目は補足で、最小送付数量未満であってもウォレットから全部を引き出す全額送付への対応です。
ウォレットとは:各取引所が顧客の暗号資産を保管・管理する財布の役割を果たすもの。
一般的に数量が0超~最小送付数量未満には対応していないのですが、全部引き出して空にすることは可能な取引所があるので、その必要があるときに確認するようにしましょう。
取引所の購入手数料(Maker, Taker)も計算に入れる
暗号資産を送付するには先に買っておく必要があるので、その購入手数料も計算に入れていきます。
販売所と取引所で暗号資産を購入するのですが、販売所だと手数料がかなり高くなるので、節約のために取引所を利用しましょう。
参考記事:暗号資産の販売所と取引所の手数料の違いを図で分かりやすく解説
買い注文の成立の仕方によって「メイカー」と「テイカー」に分かれています。ある程度売買されているメジャー暗号資産であれば大差はないので安心してくださいね。
メイカーとテイカーを知らないまま暗号資産を購入すると損した気分になるので、覚えておきましょう。
送付手数料が安い国内取引所の開設がおすすめの方
国内取引所で暗号資産の売買に慣れて海外取引所と比較し始めると、国内の取扱銘柄の種類の少なさや取引手数料の高さに物足りなさを感じるかもしれません。
僕が送付手数料の安い取引所の開設をおすすめするのはこんな方です。
- 海外取引所の売買を考えている方 アルトコインの種類の多さ 手数料の安さ
- NFTの購入を考えているかた
本格的に暗号資産で資産形成を考える際にはビットコインやイーサリアムのメジャー通貨以外に、貿易金融のXDC、イーサリアムキラーと称されるSolana、メタバースでシェア拡大を目指すSANDなどをポートフォリオに組み入れたくなるでしょう。
そのときに海外取引所のByBit(バイビット)やBinance(バイナンス)が必要になるので、あちらに送付するために手数料の安い口座が必要になります。
残念なことに、2022年6月時点で海外取引所で日本円の入金に対応するところはありません。銀行を介して法定通貨をやりとりすることに大きなメリットがないためです。
ただしクレジットカードへの対応を進めてきているので、簡単にふれておきましょう。
僕たちは暗号資産で直接やりとりすることに慣れてしまえば大丈夫!でもハードル高いですよね。
国内取引所から暗号資産を送付する以外の方法について
国内取引所を使わずに、海外取引所で取り扱われている暗号資産を直接買う方法があれば便利ですね。
2022年6月時点で、世界大手の仮想通貨取引所であるバイナンスとバイビットなど、これから多くの方が利用するだろう海外取引所は日本円の送金に対応していません。
ただし、クレジットカードで購入することへの対応を開始しているので簡単に紹介します。
結論:手数料が高すぎてメリットがないです。
バイナンスについてはカードブランド発行元の対応や細かな手数料内訳が示されていなかったので、最新情報が入り次第この記事に更新していきます。
バイビットは発行元が日本企業の場合、カードブランドはJCBに対応しています。ただし、支払手数料が4.50%で以下の発行元以外はバイビットに入金できない場合があると通知していました。
エポスカード、三菱UFJニコス、三井住友銀行、ヤフージャパン、楽天、クレディセゾン、トヨタファイナンシャルサービス、UCカード、JALカード、Revolut
よってクレジットカードの使用は、高い支払い手数料を受け入れてでも国内取引所を経由する面倒を避けたい人だけに限られるでしょう。
ここで国内取引所から仮想通貨を送付するときの手数料を計算してみましょう。
例えばGMOコインから送付手数料の安いリップルを送金するとき、1回あたり50XRP(約2,500円)以上であれば無料で送付できます※
ビットコインなら、1回あたり0.02BTC(約78,000円)以上であれば無料で送付できます※
(※2022年6月5日時点のレートを採用)
仮想通貨取引に慣れないうちは面倒に感じるかもしれませんが、送付手数料は知らぬ間に積み上がるので、節約のために対策していきましょう。
暗号資産の送付手数料の国内取引所比較一覧
それでは3種類の暗号資産を送付する際の手数料を国内取引所で比較していきます。
全て取引所の現物取引で、販売所は購入手数料が高いことと、レバレッジ取引はリスクが高いので対象外です。
- ビットコイン(BTC):暗号資産の中で最大の時価総額を誇り、最も売買されている銘柄
- イーサリアム(ETH):ビットコインに次ぐ時価総額、NFTやメタバースなどWeb3時代に欠かせない存在
- リップル(XRP):、銀行間送金向けの国際送金プラットフォームを目指し、送金時間が速く手数料が安い
リップルも古くからある暗号資産で送付のために頻繁に利用されています。
参考記事:リップル(XRP)とは?ブリッジ通貨の将来性や価格予想、買い方を解説
取引所 | 最小送付数量 | 送付手数料 | メイカー(Maker) | テイカー(Taker) |
bitbank(ビットバンク) | 0.0001 BTC | 0.0006 BTC | BTC/JPY: -0.02% | BTC/JPY: 0.12% |
0.001 ETH | 0.005 ETH | ETH/JPY: -0.02% | ETH/JPY: 0.12% | |
20 XRP | 0.15 XRP | XRP/JPY: -0.02% | XRP/JPY: 0.12% | |
bitFlyer(ビットフライヤー) | - | 0.0004 BTC | 0.01~0.15% | 0.01~0.15% |
- | 0.005 ETH | 0.01~0.15% | 0.01~0.15% | |
- | 無料 | 0.01~0.15% | 0.01~0.15% | |
Coincheck(コインチェック) | - | 0.0005 BTC | 0.000 % | 0.000 % |
- | 0.005 ETH | 0.000 % | 0.000 % | |
- | 0.15 XRP | 0.000 % | 0.000 % | |
GMOコイン | 0.02 BTC | 無料 | -0.03%~-0.01% | 0.05%~0.09% |
0.1 ETH | 無料 | -0.03%~-0.01% | 0.05%~0.09% | |
50 XRP | 無料 | -0.03%~-0.01% | 0.05%~0.09% | |
Huobi Japan(フォビジャパン) | - | 0.0005 BTC | BTC/JPY: 0.000%~0.000% | BTC/JPY: 0.000%~0.000% |
- | 0.007 ETH | ETH/JPY: 0.012%~0.150% | ETH/JPY: 0.036%~0.150% | |
- | 0.1 XRP | XRP/JPY: 0.012% ~ 0.150% | XRP/JPY: 0.036% ~ 0.150% | |
※全額送付の場合には、下限がないものに印を付ける
※全て1回の送付と1回の取引あたりの手数料を表示
※同じ取引所ユーザー間の手数料は別途確認が必要
※- は公式サイトの記載なし
※取引所における最小売買数量は随時確認
最小送付手数料は1回あたりの送付に必要な暗号資産の数量で、送付手数料は数量に最小送付手数量以上を1回送付する際にかかる手数料です。
レート(2022年6月5日時点)
- 1 BTC ≒ 3,893,000円
- 1 ETH ≒ 235,000円
- 1 XRP ≒ 51.2円
見方が分かるとスッキリするので解説しますね。
まずは送付したい暗号資産の手数料の安さに注目します。続いて、取引所における購入手数料(メイカー・テイカー)を調べてみます。
例えばGMOコインのビットコインに注目すると、最小送付数量の0.02BTC以上であれば送付手数料が無料です。そして取引所における購入手数料はテイカーはHuobiとコインチェックには有利で、メイカーについては他の人が支払った手数料をもらうことができます。
ただし、メイカー・テイカー手数料は多く売買するデイトレードでない限りそこまで気にする必要はないでしょう。
また、いずれの取引所でもリップルの価格が安いことは明らかですね。暗号資産の投資家はリップルをこんな風に賢く使っています。
- 国内取引所でリップルを購入
- 海外取引所へリップルを送付
- 海外取引所でリップルで他のアルトコインを購入
海外取引所で暗号資産が増やしてから国内取引所に戻すときも、全てリップルに換えてから送付ことで手数料を大きく節約することができます。
最初に調べるのは送付手数料。メイカー・テイカーは加味する程度。慣れないうちはこれだけで十分です!
送付手数料が安くておすすめの暗号資産取引所
ここからは取引所の送付手数料が安くておすすめの暗号資産取引所をご紹介します。
GMOコイン | 国内最安の送付手数料かつメイカー手数料がマイナス
運営会社 | GMOコイン |
最小送付数量 | 0.02 BTC、0.1 ETH、50 XRP |
送付手数料 | 3種類全て無料 |
メイカー手数料 | 3種類全て-0.03%~-0.01% |
テイカー手数料 | 3種類全て0.05%~0.09% |
対応通貨 | BTC、ETH、BCH、LTC、XRP、XEM、XLM、BAT、OMG、XTZ、QTUM、ENJ、DOT、ATOM、XYM、MONA、ADA、MKR、DAI、LINK、FCR |
詳細 | GMOコインの公式サイト |
最初におすすめするのはGMOコインです。東証プライム上場GMOグループの一員で、豊富な資金力による手数料の引き下げなどでユーザーのコストを引き下げてくれています。
ビットコイン・イーサリアム・リップルをはじめ、主要な暗号資産の取扱はもちろん、将来性の高いアルトコインの採用を着実に進めています。
海外取引所と比較するとアルトコインの種類が少なく、送付手数料の安さから暗号資産を送るために利用されがちですが、GMOグループならではのネットワークを活かし、対象銘柄を増やしていくことにも期待できます。
取引所の売買手数料となるメイカーはマイナス(買って儲かるという意味)、テイカーも他取引所と比較して最安クラスです。
よって売買のメインにGMOコインを使いながら、暗号資産を送付する際にも活用できる利便性の高さより、自信をもっておすすめする国内取引所です。
こちらの記事「GMOコインがおすすめの人は?」に詳細をまとめたのでぜひ参考にしてください。
ビットフライヤー(bitFlyer)
海外取引所でアルトコインに投資する方が愛用する取引所としてビットフライヤー(bitFlyer)を外せません。
プロ向け取引所のbitFlyer Lightning(ビットフライヤーライトニング)でリップル(XRP)を安く買うことができます。
送付手数料を含めた同社の詳細を「ビットフライヤーとは?」にまとめたのでぜひ参考にしてください。
海外取引所の利用に備えて送付手数料が安い国内取引所を準備する
ここまで取引所から暗号資産を送る際の用語の説明にはじまり、各取引所の送付手数料の比較や海外取引所を利用するときに節約する方法を見てきました。
この記事をまとめると
- 暗号資産を送る用語が各取引所で異なることと日本円の出金と混同しないように注意が必要
- 暗号資産の送付手数料の安さをベースにして取引所の売買手数料を加味する
- 国内と海外取引所間の暗号資産の送付にはリップル(XRP)を使って手数料を下げる
- 送付手数料が安いGMOコインで口座開設して海外取引所の利用に備える
初めての暗号資産の取引をする方は、僕が紹介している金融庁の審査基準を合格した国内取引所であれば安心ですね。
最近は手数料を安くする競争がされていて、僕たちユーザーにとっては株やFXのように暗号資産の取引も気軽に行えるようになりました。
暗号資産市場で投資の成績を高めていくにはアルトコインが投資候補となり、そのためにバイビットやバイナンスなどの海外取引所を利用する日がくるでしょう。
日本の金融庁は審査が厳しいので、どうしても国内取引所が取扱う銘柄は限られてしまうのが現状です。近い将来に備えて、まずはGMOコインで準備をしておきましょう。
暗号資産(仮想通貨)の送付・送金でよくある質問
こちらでは暗号資産の送付に関するよくある質問と回答をまとめています。
送付する暗号資産(仮想通貨)の種類によって手数料は変わりますか?
はい、暗号資産の種類(銘柄)によって手数料が変わります。多くの取引所は日本円に換算して近くなるように設定されています。ただし、株やFXとは異なり銘柄によっては値動きが激しくなりやすいため、その都度確認することをおすすめします。
海外取引所に暗号資産を送付する方法を教えてください。
世界中の投資家が利用しているBinance(バイナンス)、Bybit(バイビット)について準備中ですので、もうしばらくお待ちください。