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暗号資産(仮想通貨)のホワイトリストとは?金融庁の審査基準も解説

ホワイトリスト入りした暗号資産(仮想通貨)の種類と金融庁の審査基準を解説。ホワイトリスト銘柄を取扱う国内取引所自体が、審査に合格して暗号資産交換業者として登録される過程を紹介するとともに、低リスクで投資できる暗号資産まで分かります。

暗号資産(仮想通貨)のホワイトリストとは

欧米を中心に暗号資産(仮想通貨)が日常生活で使われる光景を見えにすると、間もなく日本でも普及しそうですね。

いまのうちに暗号資産へ長期投資を始めれば、近い将来に大きなリターンが得られるかもしれません。

そんな思いで暗号資産を調べてみたものの、5000種類以上もの中から何を選べばよいか悩んでしまうでしょう。

その際の判断材料になるのが「暗号資産のホワイトリスト」です。

この記事でわかること

  • 暗号資産のホワイトリストとは、金融庁の審査基準に合格してある程度の安全性・信頼性が確認されている
  • 金融庁は暗号資産取引所にも暗号資産の取引・販売を許可する審査基準を設けている
  • 金融庁の審査基準に合格した国内暗号資産取引所が取扱うホワイトリスト入り暗号資産について
  • ホワイトリスト入りしたおすすめの暗号資産と購入できる取引所について

ビットコインをはじめ、ホワイトリストに登録された暗号資産であれば比較的長期投資のリスクを減らしながら株・債権・為替よりも大きなリターンを期待できます。

長期投資のポートフォリオに入れる暗号資産を選ぶために、本記事を参考にしてください。

暗号資産(仮想通貨)のホワイトリストとは

暗号資産(仮想通貨)のホワイトリストとは、金融庁が認可している暗号資産取引所で取り扱う暗号資産の一覧です。

ホワイトリストに登録された暗号資産は金融庁の審査を通過していることから、投資をする際にも安全性・信頼性が高いとされています。

日本においても都心を中心に普及し始めている暗号資産ですが、これまでに暗号資産交換業者が乱立し、数々の価値のない暗号資産が発行されてきました。

それに伴い、暗号資産に関する多くの詐欺やトラブルが発生し、数千万円から億単位の被害も報告されたほどです。

金融庁は暗号資産取引所を登録制とし、合わせて取引所が扱う暗号資産にも厳しい審査基準を設けてホワイトリストが作られました。

ホワイトリスト入り暗号資産の審査基準

ホワイトリストに登録された暗号資産はどのような審査を合格しているのでしょうか。

金融庁が国内営業を許可した暗号資産取引所が厳選した仮想通貨であれば、ある程度の安全性が確保されていると考えられます。

しかし、世界には5,000種類以上もの暗号資産が流通しており、次々に新たなクリプトが発行されています。

ですので、金融庁自らもホワイトリストを公開して、私たち投資家がリスクを減らして暗号資産を購入できるようにしているのですね。

金融庁が公開している事務ガイドラインなどによると、次のように暗号資産の売買に関する適切性を判断しています。

  • 暗号資産の技術的な仕組みや用途、売買代金などの流通状況
  • マネーロンダリング及びテロ資金に使われるリスクがないか
  • 暗号資産の価格変動によって生じる資産消失リスク

その他、あらゆる角度から一つ一つの仮想通貨の安全性を調べ、国内の暗号資産取引所からも詳細な説明を求めいます。

その上で、私たち投資家保護や持続的に価値を保てる仮想通貨であるかなどの観点から、暗号資産取引所で取り扱うのに適しているかを判断してホワイトリストを作成しています。

参考:事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係|金融庁HP

日本円や米ドルなどの法定通貨では考えられないのですが、仮想通貨の中には匿名性が高いものがあります。

それらにはブロックチェーン技術の詳細が明かされてないものもあり、価値を保てない可能性が高い仮想通貨がいくつもあります。

従って、ホワイトリスト入りした仮想通貨は金融庁の厳しいフィルターを通過しており、他の暗号資産よりも安全性・信頼性が保たれていると言えます。

ところで金融庁は、ホワイトリスト入りした仮想通貨を取り扱う暗号資産取引所を、どのように審査して国内営業の登録許可をしているのでしょうか。

なお、早くおすすめ銘柄を知りたい方は「ホワイトリスト入りおすすめの仮想通貨3選+α」へ進んでください。

【22年10月】ホワイトリストに登録された暗号資産(仮想通貨)一覧

2022年10月31日現在、ホワイトリストに登録されている暗号資産(仮想通貨)は54種類あります。

上からシンボルのアルファベット順に並び、暗号資産名のリンク先は各銘柄の解説記事です。

暗号資産名シンボル購入できる取引所(15社未満を掲載)
1エイダコインADAビットバンク、GMOコイン、フォビジャパン、ビットポイントジャパン、SBI VC トレード、オーケーコイン・ジャパン、Payward Asia、CoinBest、マーキュリー、coinbook、
2アスターASTRビットバンク
3コスモスATOMGMOコイン
4アバランチAVAXFTX Japan、DMM Bitcoin、SBI VC トレード、オーケーコイン・ジャパン、ビットバンク
5ベーシックアテンショントークンBATビットフライヤー、FTX Japan、ビットバンク、フォビジャパン、ビットポイントジャパン、DMM Bitcoin、コインチェック、オーケーコイン・ジャパン、Payward Asia、Coinbase
6ビットコインキャッシュBCH日本暗号資産取引業協会会員26社
7ボバネットワークBOBAビットバンク
8ビットコイン・サトシビジョンBSVフォビジャパン
9ビットコインBTC日本暗号資産取引業協会会員30社
10チリーズCHZDMM Bitcoin
11カイカコインCICCカイカエクスチェンジ
12コムサ:イーサCOMSA: ETHカイカエクスチェンジ
13コムサ:ネムCOMSA: XEMカイカエクスチェンジ
14コスプレトークンCOTフォビジャパン、カイカエクスチェンジ、サクラエクスチェンジビットコイン
15ダイDAIGMOコイン、CoinBest
16ディープコインDEPビットポイントジャパン、オーケーコイン・ジャパン
17ドージコインDOGEFTX Japan、ビットバンク、GMOコイン、BTCボックス、SBI VC トレード
18ポルカドットDOT日本暗号資産取引業協会会員16社
19イーサリアムクラシックETCビットフライヤー、FTX Japan、フォビジャパン、DMM Bitcoin、サクラエクスチェンジビットコイン、コインチェック、オーケーコイン・ジャパン、Payward Asia、CoinBest、Coinbase
20イーサリアムETH日本暗号資産取引業協会会員30社
21エンジンコインENJFTX Japan、ビットバンク、GMOコイン、フォビジャパン、DMM Bitcoin、コインチェック、オーケーコイン・ジャパン、Payward Asia、Coinbase Japan
22FCRコインFCRGMOコイン
23フィスココインFSCCカイカエクスチェンジ
24FTXトークンFTTFTX Japan
25フォビトークンHTフォビジャパン
26アイオーエスティーIOSTFTX Japan、フォビジャパン、ビットポイントジャパン、DMM Bitcoin、コインチェック、オーケーコイン・ジャパン、マーキュリー
27ジャスミーJMYフォビジャパン、ビットポイントジャパン
28クレイトンKLAYビットポイントジャパン
29チェーンリンクLINKDMM Bitcoin
30リンクLNLINE Xenesis
31リスクLSK
32ライトコインLTC
33ポリゴンMATIC
34メイカーMKRDMM Bitcoin
35モナコインMONA
36ゲンソキシメタバースMVPayward Asia
37ネクスコインNCXCカイカエクスチェンジ
38オーケービーOKBオーケーコイン・ジャパン
39オーエムジーOMG
40オントロジーONT
41パレットトークンPLT
42クアンタムQTUM
43RYOコインRYOエクシア・デジタル・アセット
44ザサンドボックスSANDコインチェック、Coinbase Japan
45ソラナSOLCoinbase Japan
46トロンTRX
47カウンターパーティXCPカイカエクスチェンジ
48ネムXEM
49ステラルーメンXLM
50リップルXRP
51テゾスXTZ
52シンボルXYM
53ザイフZAIFカイカエクスチェンジ
54ジリカZILオーケーコイン・ジャパン
55ジパングコインZPG

ホワイトリスト銘柄を購入できる取引所は、随時追加していきます。

金融庁の暗号資産取引所の審査基準・登録条件

ここからは取引所の審査の基準から登録に至るまでの図解です。

金融庁の仮想通貨審査とホワイトリスト登録
出典:https://coincheck.com/ja/article/400#i1

2017年4月1日に定められた改正資金決済法に従い、金融庁が暗号資産(仮想通貨)取引所の審査に入ります。

金融庁に登録されるには、以下の内容を調査されます。

役員への聞き込み調査

仮想通貨プロジェクトや事業計画、それに対するリスク管理の考え方などを確認します。

暗号資産の価格変動や事業リスクに対応した会社内部の管理体制が十分に行き届いているかを詳しく調べます。

事業経営に関する書面審査

上記で把握した概要をデータや根拠に基づいて、書面で厳しく調査します。暗号資産特有のもの例は次の通りです。

  • 利用者保護:過去に起きた暗号資産の下落により、金融庁は投資家が多大な損失を被ることを危惧している。
  • 秘密鍵の管理:ハッキング被害を防ぐため、最先端ブロックチェーン技術に対応できているかの確認。
  • マネーロンダリング及びテロ資金供与対策:アルトコインの中には該当するものがあるため。

ブロックチェーンという新たな技術によって生まれる新たなリスクに対応するため、金融庁自らも柔軟に審査の新基準を定めているようです。

訪問審査で運用状況も確認

専門家が実際に暗号資産取引所へ訪問して、上記内容を現場で行えるかの実効性を検証します。

一連の審査に合格すると、金融庁の公式サイトで暗号資産交換業者登録一覧として公開されます。

金融庁の暗号資産交換業者登録一覧
出典:金融庁公式サイト - 暗号資産交換業者登録一覧

暗号資産交換業者として登録された

ホワイトリストでおすすめの暗号資産3選

ホワイトリストに登録されている暗号資産(仮想通貨)の中で、欧米の機関投資家も投資して長期的な価格上昇が見込まれ3銘柄をご紹介します。

これらは売買代金が大きく流動性も高いため、急激な価格変動による資産減少リスクを著してく低下させます。

また、欧米を中心に日常生活で使用される機会も増えているために、主要通貨として長期投資にも向いていると言えます。

また、ホワイトリスト銘柄のなかで上昇期待値が高い暗号資産をピックアップしました。

ビットコイン(BTC)

ホワイトリストでおすすめする暗号資産のビットコイン
名称Bitcoin(ビットコイン)
シンボルBTC
目的・用途価値の保存手段
考案者サトシ・ナカモト
発行上限2,100万BTC
コンセンサスアルゴリズムPoW
単位BTC、satoshi
価格3,059,521円
時価総額約58兆7,270億円
時価総額ランキング1位
詳細ビットコイン日本語公式サイト
参考:CoinMarketCap(2022年10月30日時点)


ビットコイン(BTC)は名実ともに暗号資産の筆頭といえる存在になりました。

アメリカではフィデリティが、ビットコインへの投資が可能な企業向けデジタル資産口座の提供を4月26日に発表しました。

これにより確定拠出型年金(401k)を利用する企業の従業員がビットコインを選択できるようになり、長期投資として心強いビットコイン価格の下支え材料になります。

フィデリティが先人を切ったことにより、他金融会社も同制度を導入していくでしょうから、米国民の個人資産がビットコインへ向かいやすくなります。

また、ビットコインはエルサルバトルで法定通貨として採用され、順調に市民生活に普及しています。

さらには、ロシア・ウクライナ戦争によってロシア通貨・ルーブル建てが259%増、ウクライナ通貨・フリヴニャ建で3倍余りに膨らんだことからも、地政学リスクが際のリスク回避先としてビットコインに資金が向かうことが表面化しました。

その他、中国政府が「ビットコイン禁止令」発令しても徹底排除できないように、技術的に中央集権が支配できないことを証明済み、そして流通量も確実に増加して、近い将来に米国ドルのような主要通貨として権利を獲得するでしょう。

イーサリアム(ETH)

ホワイトリスト仮想通貨のイーサリアム
名称Ethereum(イーサリアム)
シンボルETH
目的・用途プラットフォーム
考案者ヴィタリック・ブテリン
発行上限なし
コンセンサスアルゴリズムPoS(9月15日「マージ(The Merge)」が完了し、PoWからPoSへ移行済
単位ETH、wei、gwei
価格237,684円
時価総額約29兆860億円
時価総額ランキング2位
詳細イーサリアム日本語公式サイト
参考:CoinMarketCap(2022年10月30日時点)


イーサリアム(ETH)は、ビットコインに次ぐ不動の地位を確立しました。

ブロックチェーンのイーサリアムには、スマートコントラクト機能が搭載されています。

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で決められたことを自動的に執行する仕組みで、あらゆる商品・サービスの大元になる技術です。

DeFiがイーサベースで開発されたことや、NFTがイーサリアムのブロックチェーン上で取引されていることから、2021年に再度価格が急騰しました。

また、機関投資家はESGの観点からマイニングに消費電力の少ないイーサリアムへ投資しやすい状況へ変わってきています。

さらには、アップデートされるイーサリアム2.0は速度・効率・スケーラビリティ(取引処理の早さ)が強化され、多くのトランザクション処理を可能にします。

例えば、世界最大のNFTマーケットプレイスOpenSeaにおけるNFTアート取引がスムーズになることはもちろん、Web3.0時代を迎えてまだ想像できぬ未来を快適にしてくれるでしょう。

これまでビットコインと高い価格連動性を見せていましたが、イーサリアム2.0の導入により異なる価格推移で長期投資パフォーマンスを高めるかに注目です。

リップル(XRP)

ホワイトリスト仮想通貨のリップル
暗号資産名XRP(リップル)
シンボルXRP
ブロックチェーン名XRP Ledger (XLS20の導入案が80%の賛成票を獲得※)
発行上限枚数1,000億枚
価格69.44円
時価総額約3兆4,800億円
時価総額ランキング6位
詳細Ripple公式サイト
参考:CoinMarketCap(2022年10月30日時点)

リップル(XRP)は、送金に特化したブロックチェーン技術で国際送金などあらゆる入出金処理を低コストで速く実現します。

リップルはブリッジ通貨とも呼ばれ、日本からアメリカの銀行へ送金する場合、日本円→リップル→米ドルをスマホで瞬時に行えるようになります。

市場規模も大きく、例えば2019年に在外労働者が自国に送金した受取額の第1位であるインドだけをとっても、USD 82,203,000,000にもおよびます。

2022年12月にアメリカ証券取引委員会(SEC)に提訴された件で価格低迷が続いていますが、2022年初頭には訴訟解決の兆しがあります。

また、リップルは狙う市場規模が莫大なことからも、長期的に価格上昇を見込む投資家が多いです。

なお2022年4月30日時点、時価総額3位~6位のTether、BNB、USD Coin、Solanaは国内で主要な暗号資産取引所で取扱いがないため、長期投資銘柄としての紹介を控えます。

参考記事:リップル(XRP)とは?将来性や価格予想、買い方を解説

暗号資産(仮想通貨)ホワイトリストに関するQ&A

暗号資産(仮想通貨)のホワイトリストに関してよくある質問に回答しています。

ホワイトリスト入りしている暗号資産の価格は、長期的に上昇しますか?

上昇するかは分かりません。対象通貨のプロジェクトの進捗状況はもとより、相場の影響も大きく受けます。

2022年4月現在、景気後退入りも視野に入っていますが、株式と為替市場が低迷する中で暗闘資産のみが上昇トレンドを保つことは難しいと考えられます。

本格的な景気後退に入れば、ホワイトリスト入りしている暗号資産の価格上昇は見込みにくくなります。

ホワイトリスト入りできない暗号資産の特徴は何ですか?

回答:匿名性が高い暗号資産は、ホワイトリストに入れない可能性が極めて高いです。例えば、モネロ(XMR)、ダッシュ(DASH)、ジーキャッシュ(ZEC)がホワイトリストから除外されました。

上述の通り、金融庁はテロ資金やマネーロンダリングの抜け道として暗号資産が利用されることを危惧しています。

現在のように金融庁が暗号資産取引所を審査・認可する間、匿名性が高い暗号資産がホワイトリストに入ることはないでしょう。

その一環として、暗号資産取引所自体にもトラベルルールが課せられています。暗号資産の送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければいけません。

つまり、暗号資産と暗号資産取引所をダブルチェックする仕組みが導入されています。

ホワイトリスト入りしていない暗号資産への長期投資は危険ですか?

株式・国債・外国為替と比較すれば、暗号資産の価格変動は大きくリスクが高めになります。

ホワイトリスト入りしていない暗号資産は取引量も少なく、さらに価格が下落するリスクは高くなります。

一方で、ホワイトリストに入る暗号資産は世界中で取引されて売買代金も大きく、一定量の取引がされているため、リスト除外銘柄よりも安定して価格が推移する傾向にあります。

主要暗号資産のビットコイン・イーサリアム・リップルと、アルトコインの長期チャートを比較すると価格変動リスクが分かりやすいです。

ホワイトリストの暗号資産(仮想通貨)の投資から始めよう

金融庁の審査基準を合格した暗号資産(仮想通貨)がホワイトリストに登録されていましたね。

また、国内の暗号資産取引所も金融庁の審査に合格したところのみが暗号資産を取り扱っていることも分かりました。

この記事のまとめ

  • ホワイトリスト入りした仮想通貨は、金融庁の審査基準に合格してある程度の安全性・信頼性が確認されている
  • 国内の暗号資産取引所は金融庁の厳選な審査基準に合格して仮想通貨の取引・販売を行っている
  • ホワイトリスト入りした仮想通貨を国内の暗号資産取引所で購入すればリスクを軽減できる

初めて仮想通貨に投資をする際には、日本語の情報が充実した国内の取引所で購入したいものです。

そして長期投資をする誰もが、価格が下落するリスクを避けて着実に資産を増やしていきたいと考えています。

「ホワイトリストに登録された仮想通貨」を「国内の暗号資産取引所で購入する」をセットで考えて、長期投資にお役立てください。

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