ビットコイン積立の手数料が無料になる理由を解説。取引所の仕組みを知ることで、毎回の積み立て時に3%を超えるスプレッド手数料を支払うケースも分かります。積立投資の利益率を高める2つのやり方をご紹介します。

「ビットコイン積立の手数料が無料」には何か裏があるの?
「積立の手数料は無料じゃない」のツイートを見るけど、実際はどうなの?
取引所の仕組みを知ることでこれらの疑問が解消し、ビットコイン積立の利益率を高める2つのやり方までわかります。
大切な3つのポイント
- 取引所のビットコイン積立の手数料は無料でもスプレッドコストを支払っている
- ビットコイン積立の手数料をほぼ0(ゼロ)円にするには取引所方式を利用する
- 取引所方式を利用したビットコイン積立のやり方は「手動と自動」の2種類ある
暗号資産(仮想通貨)取引所の仕組みを知り、ビットコイン積立の利益率を飛躍させるため、ぜひ最後までご覧ください。
ビットコイン積立の手数料の内訳
まずはビットコイン(BTC)を積立投資するときの手数料を1つずつ確認しましょう。
種類 | 内容 |
---|---|
購入手数料 | 取引所が購入する際の費用 |
信託報酬 | 取引所の運用・管理費用 |
暗号資産(仮想通貨)取引所は歴史ある株式の証券会社の仕組みに習っているので、通常はこれらの手数料が発生すると考えます。
しかし、国内取引所はそろってビットコイン積立の手数料が無料です。
あなたが指定した日時と数量をあなたに代わって取引所が作業しているのに、完全無料なのは裏がありそうですね。
各取引所は規約に明記していますが、初めての方は見落としがちなので、本当の理由を確認しましょう。
ビットコイン積立の手数料が無料の理由
実は手数料の代わりに、スプレッドコストをあなたが支払うことになります。
あなたに代わって取引所がビットコイン(BTC)を積み立てるとき、スプレッドコストが上乗せされた価格で買っています。
スプレッドコストは実質あなたが支払うお金なので手数料と同じようなものです。
ただし、スプレッドのみは他の手数料と分けることが金融商品の慣習になっています。

紛らわしさをなくすため、ここからはスプレッド手数料に統一します。
ビットコインのスプレッド手数料とは
同じ時間におけるビットコイン(BTC)の買値と売値の金額差のことです。
下図はある時点におけるビットコインの購入と売却の価格になります。

スプレッド手数料を算出します。
- 購入レート:1,060,500円
- 売却レート:1,017,441円
- スプレッド手数料:購入レート ー 売却レート = 43,059円
続いて、購入レートに対するスプレッド手数料の割合を計算します。
割合 = 手数料 ÷ 購入レート ≒ 4.1%
つまり、ビットコインを積み立てた時点で4.1%ものスプレッド手数料が自動で差し引かれています。
国内取引所におけるビットコイン積立は、0.1~5.0%のスプレッドが発生すると説明されていますが、3~4%のスプレッド手数料を想定しておくと、実際の収益とのズレを小さくできます。
長期投資においては、あらゆる手数料で0(ゼロ)を目指すことが鉄則です。
ビットコインであっても1%以下になんとか抑えたいのが正直なところですね。
ただし「スプレッド = 悪」と誤解しないでください。取引所はビットコインをプールして、全ての顧客に安定して供給するようにしています。
積立投資においては、あなたが決めた日に決めた数量のビットコインを確保しなければいけません。
取引所は全ての顧客に安定したビットコイン積立を提供しており、その見返りとしてスプレッド手数料を支払っているとご理解ください。
ビットコインの積立投資 4つのメリット
ビットコイン積立には主に4つのメリットがあります。
- 少ない金額から投資できる
- 時間分散で価格下落リスクを減らせる
- 投資の深い知識や経験は必要ない
- 投資を自動化して時間を有効活用できる
各メリットは「暗号資産の積立投資 4つのメリット」をご参考ください。
暗合資産の積立投資で得られるメリットはビットコイン積立にそのまま当てはまります。
ビットコインの積立投資 3つのデメリット
ビットコイン積立は良いことばかりではありません。
- 短期間で大きな利益を狙うのは難しい
- 元本を割る可能性がある
- スプレッド分のコストがかかる
各デメリットは「暗号資産の積立投資 3つのデメリット」をご参考ください。
暗合資産の積立投資のデメリットはビットコイン積立にそのまま当てはまります
スプレッド手数料なしでビットコイン積立ができない理由
取引所は真相を明かしていませんが、主に2つの理由が考えられます。
- 収益性が高くて儲かる
- 流動性が確保できない
1つずつ解説します。
理由①:収益性が高くて儲かる
SNSでもよく見かける理由は、スプレッド手数料で儲けているという話です。
確かにある取引所の決算において、売買手数料の収益が好業績に寄与していたことから、スプレッド手数料で稼げるのは事実でしょう。
ただし、FXや株式と比較しても高すぎるのは誰の目に見ても明らか。ツイッターで取引所名が名指しで批判され続けていても、なかなかスプレッド手数料を引き下げられないのは、真の理由が別にあると考えられないでしょうか。
理由②:流動性が確保できない
スプレッド手数料が高いままの理由は、流動性の低さが主な原因だと考えられます。
日本の暗号資産(仮想通貨)取引所はグローバル規模ではないため、流動性の確保が難しい状態にあります。
流動性とは、暗合資産の大きな注文が成立するかを測る指標でざっくりと次のように用います。
- 流動性が高い:ビットコイン33BTC(1億円分)の売買が速やかに成立する
- 流動性が低い:ビットコイン3BTC(3,000万円分)の売買が速やかに成立しない
言い換えると、ビットコイン(BTC)を300万円で100BTC買う・売るなど、希望する価格と数量で速やかに売買が成立する状態のことです。
例えば、世界最大級の取引所バイナンスやFTXは世界中に顧客を抱えて日本の取引所の何百倍もの売買代金を毎日処理しています。
そのためスプレッド手数料を顧客に負担させることなく、超格安な取引手数料のみで済んでいます。
取引所の使命として、顧客が求める暗号資産を安定して供給することが上げられます。
この条件の下、流動性の低い国内取引所が事業収益をあげるにはスプレッド手数料を課さざるを得ないと考えるのが自然でしょう。

実はスプレッド手数料をかけずにビットコイン積立をする2つの方法があります。
手動のアナログ式と簡単な設定をする方式があるので、引き続きご覧ください。
スプレッド手数料が無料のビットコインの買い方
大半の国内取引所は暗合資産を売買する場所として「販売所方式」と「取引所方式」を用意しています。
その中でビットコイン(BTC)の購入にスプレッド手数料が発生するのは「販売所方式」を利用したときのみです。

「販売所方式」でビットコインを買う場合、あなたはビットフライヤーなどの業者と取引をすることになります。
一方「取引所方式」では、ビットフライヤーなどの業者を介してユーザー同士で取引をすることになります。
※販売所方式を販売所、取引所方式を取引所と略して呼ぶのが一般的です。暗号資産取引所の取引所でビットコインを買うと言ったときには取引所方式を利用していることになります。
販売所方式では取引所が蓄えているビットコインを売ってもらうことになるので、取引所が売値を自由に決めることができます。
そのため、スプレッド手数料を上乗せして利益率を高くできるメリットが取引所にあります。
一方で取引所方式では取引所はビットコインを売買できる場所(システム)を提供しているのみです。
そのため、極めて少ない手数料を取られるのみで、個人同士で自由にビットコインの売買をすることができます。

ポイントは、取引所方式ならスプレッド手数料を支払わずに済むことです。
それではスプレッド手数料を無料にするビットコイン積立のやり方をご紹介します。
なと「暗号資産(仮想通貨)取引所の取引所方式と販売所方式の違い|スプレッドの原因を解説」をまとめたのでご参考ください。
スプレッド手数料を無料にするビットコイン積立のやり方
それでは、取引所方式でスプレッド手数料を無料にするビットコイン積立のやり方をご紹介します。
- 手動でビットコインを積み立てる
- 自動でビットコインを積み立てる設定をする
2つのやり方を解説します。
やり方①:手動でビットコインを積み立てる
まずは少し手間のかかる手動のやり方です。
積立投資の原則は、同じ曜日・時間に同じ金額のビットコインを購入することです。
そのため、3つのモデルを基本にしてビットコイン積立を計画してみてください。
予算:毎月5万円、年間60万円 ビットコイン(BTC)価格300万円のとき
- 毎日積立:毎朝9時に0.00056 BTCを成行注文で買う ※0.005BTC ≒ 1,667円分、30日間で5万円
- 毎週積立:毎週月曜日の朝9時に0.00417 BTCを成行注文で買う ※0.00417BTC ≒ 12,500円分、4週間で5万円
- 毎月積立:毎月1日の朝9時に0.01667BTCを成行注文で買う ※0.0166BTC ≒ 50,000円分
指値ではなく成行注文にする理由は、買い逃しを防ぐためです。手数料はほぼ同じのため、少しでも安く買おうとして指値にすることはやめてください。
これらは暗号資産取引所が提供する積立投資のサービスと同様の方法です。
取引所方式でビットコイン積立を手動で行うことで、スプレッド手数料(3%超)を節約することができます。

手数料は限りなく0円を目指しましょう。ビットコインなら最高でも1%に抑えていきます。
やり方②:自動でビットコインを積み立てる設定をする
簡単なルールを指定して、プログラムに自動でビットコインを積み立ててもらう方法です。
FTX Japanの「クオンツゾーン」ではプラグラムを全く知らなくても、4つの項目を入力するだけで完了です。
1. ルールの名前を決める
2. トリガーを設定する
3. アクションを設定する
4. ルールを保存する

僕はプログラムを組めないですが、全く迷うことなくビットコイン積立の自動化ができました。
自動化する設定は「FTX JPのクオンツゾーンでビットコイン積立を設定する方法」をご覧ください。
スプレッド手数料が無料!ビットコイン積立のおすすめ取引所3選
上記をふまえてビットコイン積立を手動と自動にわけてオススメの取引所を3つ厳選してご紹介します。
- ビットフライヤー(bitFlyer)
- コインチェック(Coincheck)
- FTX Japan(エフティーエックスジャパン)
もちろん、全て取引所方式でスプレッド手数料がかかりません。
ビットフライヤー(bitFlyer)の簡単取引所
最初におすすめする取引所は、ビットフライヤー(bitFlyer)です。
2014年1月9日に設立された暗号資産取引所で、ビットコイン取引量6年連続No.1※を誇る老舗企業です。
※ Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2016年-2021 年の年間出来高(差金決済/先物取引を含む)
業界最長7年以上ハッキング0(ゼロ)を達成しており、ビットコインを安心して何年にもわたって積み立てていくことができます。
ビットフライヤーではビットコインだけをすぐに売買できる簡単取引所が用意されています。
こちらでは初心者の方も操作に迷うことなく直感的にビットコインを買うことができる使いやすさです。
だいたい0.01BTC(約3万円分)以下なら速やかにビットコインを購入することができます。
ただし、最小注文数量が0.001BTC(約3,000円)のため、毎日積み立てるときには1ヶ月あたり90,000円以上が必要になります。
毎月9万円を超えないためには、2日や3日に一回に積み立てるなど、少し工夫すれば大丈夫です。
こちらにビットフライヤーのメリットやデメリットをはじめとした詳細をまとめているので、ぜひご参考ください。
bitFlyerかんたん積立
もし手動のビットコイン積立が面倒でスプレッド手数料が気にならいのであれば、bitFlyerかんたん積立をお役立てください。

サービス名 | bitFlyerかんたん積立 |
回数・頻度 | 毎日、毎週1回、毎月2回、毎月1回 |
最小金額 | 1円/回 |
最大金額 | 100万円/回 |
手数料 | 無料 |
購入形式 | 販売所 |
種類・銘柄数 | 17種類 |
途中解除・終了 | 可能 |
解約手数料 | 無料 |
金融庁の審査合格証明 | 関東財務局長 第00003号 |
キャンペーン 積立対象 | ー |
スマホアプリ | あり |
bitFlyerかんたん積立は、スプレッドコスト以外の手数料は完全無料です。
回数・頻度も毎日、毎週1回、毎月2回、毎月1回と4種類から選べるため、ドルコスト平均法で着実にビットコインを増やしていくことができます。
コインチェック(Coincheck)のビットコイン取引所
続いておすすめする取引所は、コインチェック(Coincheck)です。
2012年8月に設立された暗号資産取引所で、東証プライムに上場するマネックスグループの一員として暗号資産に関連したサービスを提供しています。
若い世代から大変人気で、暗号資産の取引アプリダウンロード数が415万を突破して国内No.1に輝き、人口の約3.3%に達しました。
コインチェックではビットコインをすぐに売買できるビットコイン取引所が用意されています。
こちらでは初心者の方も操作に迷うことなく直感的にビットコインを買うことができる使いやすさです。
だいたい0.01BTC(約3万円分)以下なら速やかにビットコインを購入することができます。
ただし、最小注文数量が0.005BTC(約15,000円)のため、毎日積み立てるときには1ヶ月あたり450,000円以上が必要になります。
そのため1週間に1回のペースのときにコインチェックを使いやすく、数日間に1回のペースではビットフライヤーと比較して選ぶことをオススメしています。
こちらにコインチェックのサービスの種類をはじめとした詳細をまとめているの、ぜひご参考ください。
Coincheckつみたて
もし手動のビットコイン積立が面倒でスプレッド手数料が気にならいのであれば、Coincheckつみたてをお役立てください。
取引所 | Coincheck |
回数・頻度 | 毎日、毎月7日前後 |
最小金額 | 333円/回 |
最大金額 | 100万円/回 |
手数料 | 無料・販売所購入 |
購入形式 | 販売所 |
種類・銘柄数 | 17種類 |
途中解除・終了 | 可能 |
解約手数料 | 無料 |
金融庁の審査合格証明 | 関東財務局長 第00014号 |
キャンペーン 積立対象 | つみたて開始で最大10,000円分のビットコインをプレゼント(10月11日まで) |
スマホアプリ | あり |
Coincheckつみたては、スプレッドコスト以外の手数料は完全無料です。
回数・頻度は毎日、毎月7日前後の2種類と少ないため、ビットコイン積立に関しては手動も自動もビットフライヤーの方が利便性が高くなっています。
なおスプレッド手数料を気にしない方やビットコイン以外の暗号資産に積立投資したい方は「暗号資産の積立投資の選び方」をご参考ください。
FTX Japanでビットコインを自動積立
ビットフライヤーとコインチェックの取引所で手動による積み立てが面倒な方へFTX Japanのクオンツゾーンをおすすめしています。
プログラムの知識は一切不要で、あなたの希望する日時と数量のビットコインを自動で積立投資できるサービスです。
ビットコイン積立に関するよくある質問
ここからはビットコイン積立についてよくある質問と回答をまとめます。
つみたてNISAでビットコインに積立投資できますか?
ビットコイン(BTC)はつみたてNISAの対象外です。
ビットコインのトレードや投資で得た収益は雑所得に分類され総合課税が適用されます。
ちなみにつみたてNISAとは、非課税投資枠が年間40万円で、投資期間が最長20年となります。
ビットコインをはじめとした値動きの激しい暗号資産よりも、米国ETF「VTI(S&P500連動型ETF)」など歴史ある金融資産に適しています。
ビットコイン積立のリスクとは?
株式や債券と比較してビットコインの歴史はまだ浅く、現物の無いデジタル金融資産のために存在するのかと問う人が未だにいます。
一方で人が何に価値を見出すかを想像すれば、ビットコイン積立にリスクはないといえるでしょう。
web3を迎えるとともにデジタルネイティブの世代が経済を牽引する時代には、ビットコインの価値の議論自体がなくなっているのでないでしょうか。
ちなみに、市場におけるビットコイン価格のボラティリティはリスクではありません。高値づかみするリスクを回避するために、ドルコスト平均法を基本にした積立投資を推奨しています。
ビットコイン積立の手数料無料はスプレッドコストで損をする
ここまでビットコイン積立の手数料が無料の理由を解説してきました。
販売所でスプレッド手数料がかかることを知ることで、積立投資のパフォーマンスを高める施策を打つことができます。
この記事のまとめ
- ビットコイン積立の手数料無料は真実だがスプレッドコストを支払っている
- スプレッドコストとは取引所がビットコインの購入価格に予め上乗せする手数料と同じ
- ビットコイン積立の収益率を高めるには取引所で手動または自動積み立てするしかない
- ビットコインの手動積立はビットフライヤーまたはコインチェックがおすすめ
- ビットコインの自動積立はFTX Japanのクオンツゾーンがおすすめ
毎回3%を超えるビットコインの積立手数料は決して無視できるものではありません。
スプレッド手数料のかからない取引所方式で積立投資をするため、手動では「ビットフライヤー」と「コインチェック」そして自動では「FTX Japanのクオンツゾーン」をお役立てください。